山東省博興第一中学

 昼過ぎ彼女は来た。2年ぶりの再会だ。「中学校で同窓生が勤務しているのでいっしょに行きましょう」と誘われ同伴する。

 ちょうど昼休み時間、生徒の行き交う販売所前の事務所が勤務先だ。中に入ると4人でポーカーをしていた。同窓生は食事に出ていて不在だった。お茶をよばれポーカーを見ているとかなりの金額が賭けられた。勝った一人は500元は得ただろう。学校の事務所で賭け事なんてさすが中国、道路で店頭で見かけるのは、お茶を飲みひまわりの種を食べるのと同じだ。

 勝負が終わり事務長、職員と話しをする。一人日本通がいて、経済のことなど博識者がいた。彼女も帰ってきた。学校の昼休み時間は11時半から1時半までだ。全員が日本中国のことを話す。殆ど過去の話がなく、現在の良好な話しで気持ちがよかった。

 「この町で古跡とか有名なところがありますか?」と訊ねると興福寺に案内された。奈良の興福寺と同名だ。10元を払い園内にはいると、中は閑散としてはじめて日本人が来たのが珍しいのか案内人が3人も付き纏った。色彩もあでやか仏像も金ぴかで、作業務衣姿の僧侶と話しが出来たのが唯一の取り得だった。

 観覧がおわり事務所に帰ると、中が何かせわしい。販売所の売上を集計しているところだったが、その人達も加えてまた雑談が続く。お別れの時間ごろ、今日は気分がとてもいいので歓迎会をするのでどうですか?とさそわれる。一応断ったが袁さんが「気にいられているのよ,断らない方がいいよ」というので参加した。料理も美味しかったが、ものすごく良識的で友好に溢れ、はじめて逢った人達とは思われない盛り上がりで、持ち込んだ42度の白酒はすぐなくなり、追加する有様だった。通訳の袁さんが間をとってうまく会話をつないでくれたからだ。本当に素晴らしい人達と友達になれとてもうれしかった。

   

(10月31日)