同級生のおばぁさん

 雅傑の家は本人はもとより家族親戚が準備に大わらわだ。近辺のきれいな所を探すが農村で見当たらず、袁さんと村落を散策する。すぐ近くで袁さんの同級と出会い、門前で話す。おばぁさんに勧められて部屋で話す。彼は南昌の大学生で休みを利用しおばぁさんを尋ねてきたらしい。おばぁさんは86歳、戦時中の話しを聞き出した。こんな田舎にも日本軍が来た。銃剣を突きつけられ物資を請求されるのが一番怖くて、穴の中に隠れて難を逃れたこと、日本と中国は遠い昔から行き交い、文字だって同じだ。いつまでも仲良くしましょうと目を潤ませながら話してくれた。悲しい話を聞いたとき私も目頭が熱くなる。こんな戦中のこと、この大学生は初めて聞いたというのも不思議だった。
   

  11月02日