何処の言葉だろうか

 中国の正月春節も明け、新学期も始まる。青島大学で日本語を学んでいるHさんと久し振りに話した。「春節は帰郷しないで勉強をします」と硬い口調だったのに帰郷したわけを訊ねた。

 何処の親も同じで、娘は縁があれば早く結婚させたいのが親心だ。また顔を見たいのも中国の親だって同じ事、やむなく帰郷したが、久し振りの親元少しでも孝行をしようと離れがたくなったという。急かされる結婚に、生涯独身と言っていたが、日本人となら結婚しますから良い人がいませんか?と言ってきた。

 このHさん、博士号を取る勉強をしているというのに、言葉を時々間違える。その度に修正してやるのだが結婚就職の話になって、「社会ってばつらいですね」という言葉が返ってきた。以前どこかで聞いたような、関東地方で聞いた言葉だっただろうか、「標準語でないので使わないほうが好いですよ」と忠告した。「教科書にあります」と返ってきた。このことを別の大学で学んだ張さんに訊ねたところ中国では良くない教科書が多いということだった。あの言葉は如何にも、私は日本語が話せますよと誇張しているかのように見えた。あれは方言と思うがどうだろうか?