やはりそうだった 

 10月の同窓会を前に、予てからどうしても聞いてみたいと思っていたことが思っていた通りであって本当に嬉しい日となった。

 私は韓国生まれの韓国育ちだ。家から南へ坂道をあがり下った右角にKさんが居た。板塀に囲まれた家で、お兄さんが居た。そのKさんと同じ名の人が現在の我が家から少し離れたところに、数年前から住まわれている。朝の散歩の帰途丁度出合った。今まで何遍も、話もした知り合いだが、どういう虫の知らせか今聞かねばと思い切って「韓国に居ましたか?」と聞いた。聞いてよかった。返って来た言葉は「居ました、学校は南大門小学校です」という。

 敗戦で帰国しても全国各地に散り、東京には各校の同窓会が出来た。南大門小もその一つだ。Kさんの兄は桜井小卒でオマケに桜に錨の先輩だということまでわかった。私は本当に嬉しかった。故郷を同じくする同窓が、身近にいることがわかり「これで心置きなく死ねる」とまで言わせるほど嬉しかった。