西武百貨店

 正月三日、池袋の西武百貨店に行く。どの階も人がいっぱいだ。別に買い物は無かったが、炊事道具の六階で足が留まり、南部鉄の茶瓶を見る。というよりも鑑賞だ、ずっしりと重く立派なものだ。刀工が打った包丁も美しい。刺身を作ってみたい気になるが、一丁二万円以上では欲しくても買う気がしない。ここも鑑賞するだけだ。
 八階の韓国風味噌煮ホルモンでマッカリを飲む。美味いね。韓国料理にはビールでなくマッカリが好い。二杯も飲んじゃった。

 *旧古河庭園 

携帯電話というのかコンピューターなのか、名所を検索すると、近くに明治の鉱山王古河財閥の名庭園があることがわかり訪ねた。

 

 この洋館と庭園は英国人建築家のジョサイア・コンドルの設計で建物は石組みで英国貴族の邸宅にならった古典様式で、天然スレート葺レンガ造り。外壁は赤みをおびた安山岩で覆われており、落ち着いた色調をかもちだしている。

 

 日本庭園の一角には裏千家の茶室が二棟もあり、庭園は常時庭師がついて手入れをしている。
残念ながら見事な庭園にまだ花の咲いたところは見られず、絵葉書での観覧だけだった。

 七百メートル離れた六義園に向かう。ここは川越藩主・柳沢吉保が築園した回遊式築山泉水の大名庭園だ。これも花は無く広大な庭園を散策するだけだった。ここまで来たらあの有名な刺抜き地蔵の巣鴨も近い。歩いて向かう。あっちを見たりこっちを見たりだんだんとおばちゃんたちが多くなる。大きな白山道路から左手にぞろぞろと人通りが増える。
 
 この通りが、テレビなどで紹介される刺抜き地蔵のある通りだ。女性それもおばちゃんが殆どだ。男のほうが長生きしないのがわかる。店舗もそれ向きの品物を販売している。入り口から二百メートルも行くと右手に寺院があり、大きな像が祀られ少し離れた所に地蔵さんがある。その前にたくさんのおばちゃんが頭を撫でる順番を待っている。撫でると、棘が抜けるらしい。