ドラマ夏の嵐に想う

 海軍軍令部で要職についていた南部忠彦大尉は、昭和天皇終戦の詔を聞き愕然とする。部下の少尉は戦争責任を感じ自決、大尉は少尉の介錯をする。

 それ以来目的を失った大尉は、酒浸りとなり荒れた生活をする。そういうところへ父の男爵で海軍中将南部雅春が台湾での残務処理を終えて復員、無事に自宅に帰ってきた。

 久しぶりの家族全員での歓迎晩さん会で、息子の忠彦はおめおめと復員してきたと父の雅春を卑怯者呼ばわりをして詰る。

 私は当時海軍飛行予科練修生でした。お国のためには命惜しまぬの精神は誰にも負けないくらいもっていました。すでに、同期の桜72名を失い、生き延びておめおめ故郷には帰られないとおなじ学校出身の同僚と話し合う毎日でした。

 元大尉の忠彦がどのような生き方をしていくかもドラマとして楽しみです。私の場合い元の学校には戻らず半年間ごろごろして、転校先の予科練崩れの仲間に入り一時爪はじきされた時もありました。それも短期間で、クラブに入ってから同じ目的を持つ仲間ができてから立ち直りました。その友人たちもすでに天上の世界に旅立ち、”無理をしないで”と言ってくれているでしょう。