賑やかな訪問者

sakuraniikari2006-07-10


 日本語の勉強をしたいという三人を引き受けた。
辞書持参でやって来た彼女らに提案をする。「ここでは中国語では話さないこと。」しかしこれはすぐに破られる。「我不知道你説話」しかたがない、自分も中国語を勉強したいのでそれは無理というものだろうと納得する。
テレビを見ていても、人気タレントが出ると、割と知っているらしくかなり話題が豊富になり、冗談を言ったり賑やかになる。テレビに字幕が出る。「くたばれ」意味の説明を求められ説明していると、一人は辞書で調べる。中国語では「見鬼去吧」女性ではあまり使わない言葉である。珍しいのか彼女らも「見鬼去吧」と発声する。
勉強熱心で明るく朗らかな娘らである。

 一人がパソコンで中国にメールを送りたいという。言語を中国語に切り替えて設定完了。中国語は全て漢字だがキーを打つのはピンインでやる。一字一字をローマ字で綴る。彼女のやるのを見ていると、ピンインが正しく続いて打たれていると、次々に漢字に変換されるが、間違ったりすると全く意味の分らない文字が出る。日本語でも間違えると同じだが、中国語だと、熟語の一文字のピンインを間違えて打ち直しても正しい字は出ない。熟語全部の打ち直しが必要のようだ。ピンインを正しく打てば勝手に漢字に変換されるのでかなり速い。ただピンインを忘れた場合、字画で調べる。両方忘れたらお手上げだと思う。

 土曜日の朝、雨が上がらない。マイピクチャーの写真を引っ張り出して彼女たちに見せる。一人猛烈に花好きがいて、「きれい、きれい」と感心する。彼女、将来は花の店を持つか、園芸の仕事に就きたいらしい。そういうことで、雨が止んだ午後、フラワーランドに案内する。園内に入る前から感嘆の声をあげていたが、入場すると「わーきれい」の連発。園内は雨のあとでもあり閑散、貸切のようでゆっくりと観覧できた。笹さんはあいにくのお休みであつたが、いたるところで花の手入れをしたり、落花の始末をしていた。ふだんからの手入れによってなお美しく見られるのだろう。

 夜、野菜の無人販売の店主から、「安いとまとが有るのでどうでしょうか」と電話があった。この店主も外国からの留学生たちのため、安い野菜を供給している奇特なひとである。野球のボール大の20個入りが180円、これは安い、6箱を購入する。明日はこれを届けねばならない。

 いよいよ、彼女たちともお別れである。今日までにした買い物もたくさんあるので、車で送っていく。行くと新入生がいた。まだ来たばかりで、中国人らしく日に焼けて健康そのものと言う感じの娘。日本語はまだまだおぼつかない。忽ちにわか先生になる。「わたしは、来ましたら」という。どうもおかしい。前後の言葉から判断すると、中国語の「來了」の「了」(完了形)をつけているようだ。よく教えるとすぐに覚えて、一時間くらいで「おじさん、きょうは、ありがとうござりました。またきてください。」そのほか、「おげんきですか」驚いた。こんなに吸しゆうの速い子、そのほか教えた単語を並べる。年を聞くと19歳覚えがいいはずだ。こんな年に戻りたいと、思った一時間余だつた。
 あっという3日間であったが、日中友好の輪はすばらしい人達で保たれ、続くことを願っている。今日は我が家も元の静けさに帰り、あの利発な19歳の娘のエクボを思い出しながら、楽しくキーを打っている。