あわれ

sakuraniikari2006-07-11


 教室が終わり帰宅すると、「注進注進」と隣のおくさんが走りこんで来た。「あんた、トマトはからすに食べさすの?」「いいや、どうして?}「からすが二羽も飛び立ったよ」さぁー大変、押っ取り刀で駆けつけてみると、見るも無残、蝶よ花よと育てた愛しの子らは、まだ熟さぬその頬は食いちぎられ、或いは落とされ、哀れと言うほか(本当は、癪に障った)言葉も無しの状態である。聞くところによると、品評会に出せば特等間違いなしの一品が写真付きで発表されていたとか。ドジなからすもいたもんだ。こちらのはあれもこれもと試し食いをしても美味いのは無かった。もう少し高く上がって偵察すれば、あの美味そうなトマトを発見できただろうに。
 まぁ、いいよ、うちのは無農薬だから、熟れたら遠慮は要らない、一つ一つ、食べくささないで、赤く熟れたのを賞味してくれ。絶対美味いから、礼はいらない。