* ぐいめ


 隣のおばさんが「あんたぁーとこの庭に子どもが毎日、はいりよるよ」というので今日気をつけていたら、5時前ごろ、庭の方にガラス越しに黄色い帽子、赤い鞄がちらちらと見える。どうもぐいめの木の方にこそこそと忍者のように隠れていく。


 子どもらが帰ったあと、覗いてみたら赤い実がたくさん成っている。地面にも落ちている。

 子どもらが群がる赤い実を一つ摘んで口に入れる。よほど美味いのだろうと思っていたのに、意外と渋く、甘みも少ないうえ酸味がある。そのせいで小鳥はあまり見ないのだろうか。