雅傑の家に行く

 今日は雅傑の家を訪問することになり早く出発、車で東に走ること30分、やはり農村で村落の奥まったところに門構えの家があった。すでに連絡していたのだろう、門の内外で男女30人が出迎えてくれた。

 はじめて逢った両親は写真で認識していたので、すぐわかった。旧知の仲のようにすぐに打ち解けることが出来た。例の引き出物の衣類を渡すと喜ばれ、すぐに着て見せた.他のおじさん、おばさんたちも「いいねぇ」というように集まってきた。

 広い中庭では竈で湯を沸かし、肉、野菜を刻み料理作りの様だ。部屋ではおばさんたちの笑い声が聞こえ、小麦粉を練って10円貨の大きさに作りパージェ(八角)で押し印をし焼いている。嫁を出すときの来客に食べてもらうらしい。おばさんが「食べなさい」とくれたので食べたが、味がついていない。美味しいとはいえない。押し印はもみじの形になっている。

 何時だったか門の方が賑やかになり、昨夜共に酒宴をした孫家のおじさんたちが、大きな円筒形をした食貨というものに、肉、魚、野菜、酒などを持ち込んできた。それに生きた雌雄の鶏もいた。雌鳥はやがて送り出す新娘の替わりということで置いていかれ、雄鶏は新郎宅に帰る。新郎の親戚たちは別室で酒宴をはじめた。

 食事の終わった新娘の親戚の人たちと庭で話す。新娘の胡一族は140人もいるそうで驚いた。年の割りには老けた60歳のおじさんは、さかづきをあけては、乾杯と私に飲み干すようにすすめる。新郎方の親戚は、食貨に新娘方から頂いた酒食べ物を入れて帰っていった。今日の宴は互いの親戚の紹介だったのだろう.

      (10月30日)