ハイビジョンカメラ

 今朝退院して帰宅した。私の目は今まで、薄暗い被写体として写していた物体を、いまや最新のハイビジョンカメラで捉えることが出来るようになった。

 昨日昼12時30分手術開始、20分間で終った。薬で麻酔をかけ、メスを入れ濁った水晶体を取り出し、そのあとにレンズを入れて、水晶体を縫えば終わりだ。先生方の話す声を耳にし、わずかだが目にし、ときどき痛むので、恐怖と緊張で身はこわばり、早く終ってと祈るような気持ちだった。終って眼帯を貼ったとき、額の汗でテープが剥がれ落ちるほどだった。手術後は目がごろごろして、夜休むまで目が開けられない有様だったが、朝起きて景色を見たとき、その明るさに、何度も、片目ずつ見ては確認して驚き、一人悦に入っていた。