ファン

 公民館活動に”なつかしの歌教室”が有り、私もその一員で毎月1回だが楽しんでいる。名のとおり唱歌から歌謡曲、歌曲まで古くから歌い継がれてきた懐かしい歌を楽しむ会だ。

 昨年11月のふれあいの会の余興で唱歌を発表してから、先生の体調不良で休会になった。年末の電話のお話では、バトンタッチしょうと思います、ということだった。総代である私は、このまま消滅させるのは面目ないと後継者を探した。心当たりの先生方はピアノも声も立派な先生だが、新しい指導者でやりましょうと会員にもちかけたところ、意外なことが分った。

 いま休んでおられる先生、麻郷小学校で教鞭をとられたことがあり、会員と面識があって入会した会員が多く歌は勿論だが、合間の世間話なども楽しみにしているフアン的な会員がいて、先生が辞められるのなら自分たちもやめるという人が多いことがわかった。私の娘も先生の教え子だ。

 新年度の公民館使用申し込みのこともあり相談した。先生を慕って集まる会員が多いので、新指導者の下ではやりません。解散します。と告げ電話を切った。そのことを会の世話人に電話をし、会員に連絡を依頼した。電話を切ってまもなく、先生から電話があった。「会員からそんなに慕われているのなら、送り迎え私がするから続けたらどうですか、と主人に勧められたので身体の許す限り続けます、来週から始めます。よろしくね」といわれた。涙が出るほど嬉しかった。会員の意気を感じ、やる気になった先生がいつまでも健康であるようにお祈りする。