厳しい就職事情

 6年前中国から日本に日本語を学ぶため来日した春花の息子は、2年間で日本語能力の資格をとり、大学も一発で合格し、半ば永住資格を手にした感じだった。

 親からの仕送りはなるべく受けないようにと、入学時からアルバイトをした。2年進級時には学長推薦の奨学金も受けられるようになり、前途洋々の学業生活を送った。勿論成績優秀で卒業したら、経済関係の仕事に就き日中の架け橋になるのが望みだった。

 6年目のこの春はいよいよ卒業、経済学を活かした職はいまだに決まらず、なにか悲観的だ。彼の場合、外国人留学生なので、学んだ学部と関係のない職種では規約に反するので、日本に滞在して就職が出来ない。つまり中国に帰国しか道はない。中国語、朝鮮語、英語も少し出来優秀な青年だが、その能力を買う企業は無いものか。

 親に話したことがある。中国も就職は大変だが、中国企業にも日本人が沢山勤めているから、語学も武器にして活動したらと勧めているが、これも居住とか問題が多く実現出来そうに無い。