不気味

 中国は西北部黄土高原、西方の黄河に接する地方で、今でも昔からの行事を続けている話し。

以前、独身で亡くなった男性の亡骸に、盗掘した女性の亡骸を添えて、一人前の男性扱いをして弔うことを記載した。是とは異なり、一家の長の男性が亡くなり合葬される話だ。その長には、40年前に亡くなった妻と、4年前に亡くなった後妻がいて、それぞれが別の場所に埋葬されていた。

 合葬するためには、亡骸を掘り出す。勿論骸骨だ。問題は後妻だ。掘り出すときには棺おけが崩れ、鬼気迫る状態で亡骸が見えたらしい。不完全なミイラで気味悪く普通の人には見られない。それを長の娘と風水師とで肉を落とし歯も毛髪も抜き、ここまで書きながらもなんだか不気味だが、まだ儀式はある。きれいにした亡骸は、焼酎で清め、小麦粉を練って作った目鼻を、頭蓋骨のその穴に取り付ける。鼻には穴まで開けてある。このようにして、3体が一つの穴に弔われる。


  matouさんの手記 から