毒をもって制す

 夜中お尻の辺りがなにかチクリとした。どうしてだろうと訝りながら夢現で寝返りを打ち、手をパンツの中に入れると、何か草の茎のような感じのものがありまたチクリ、そうしてまたチクリ、悲鳴を上げて飛び起き急いでパジャマ脱ぐと百足がいた。すぐ旦那が殺して始末をしたがじんじんと痺れるように痛い。旦那の話では、三箇所も咬まれたというのに噛んだ痕が見えない。アルコールで消毒し薬を塗った。朝、ズボンが履けないくらい腫れるだろうと心配した。

 朝になり、咬まれた痕が少し傷むが腫れてはいない。私だと三箇所も咬まれると赤くそうして痛み腫れる。

 実は彼女、中国人で幼いとき病気がちで、病にいいというので百足を薬として、親に食べさせられたらしい。それで百足の毒にたいして免疫があるのだろうか?この話、今日夜中のことで、先程本人が電話してきた。

 百足を食べたことが免疫になっているのならよく百足にやられる私は、百足の黒焼きでもこしらえて薬として飲んでみようかと思っている。