情と理

 今日は文化の日、もと明治節といわれ明治天皇の生誕を祝う日だった。朝のテレビ番組に明治維新に寄与した薩摩藩士の西郷隆盛と、大久保利通について中学生と考える番組があった。二人は竹馬の友で武士として生計をたてていた。薩摩藩は他藩に比べ士が多く、廃藩で生活の糧を失う者が多かった。中央政府で要職についていた二人だが、征韓論に破れた西郷は、官職を辞し鹿児島に帰り、私学を起こし、やがて熊本城を攻め西南戦争となり負傷後自害する。情に厚い人で失職した武士を救うため戦争を考えたのかもしれない。

 一方の大久保は、時の情勢を考え列国並みの国力をつけることに尽力する。西南戦争の責任をとった西郷は自害したが大久保にあてた手紙を持っていた。敵であった大久保に一生変わらぬ友情を伝えた文を読み、大久保は涙を流したという。征韓論政変後は初代内務卿となり政府を指導するが、西南戦争後刺殺される。