節分

 福は内鬼は外、今日は節分だ。福を呼び込み鬼を追い払う豆まきをして、その豆や、鰯を食べる。ところがいまや節分といえば巻寿司を食べるのが主流のようだ。

 子どもの頃は、父親の豆まきの声で嬉々として豆を拾い、母親が焼いた鰯を夕食に食べた。しかし今は違う。太巻きの寿司を恵方に向いて食べて笑うという。今年は南南東の方向に幸運があるというので、食べた人は大いに笑うがいい。

 もともとこの慣わしは、商魂たくましい大阪商人によって、昭和初期に宣伝され、戦後はテレビの宣伝、大型スーパーの全国浸透により宣伝販売され普及して、いまや節分の定番になった。元は大阪の慣わしで関西人しか知らなかったが、今日のスーパーのソウサイ売り場は、ずらりと巻寿司がならんでいた。