sakuraniikari2006-04-04

*ふくろう

久し振りに外に足を伸ばしてみると、もう春は目の前にあった。我が家の桜も大樹の陰から、淡紅色も艶やかに、ちらちらと覗いている。真っ赤な椿の花と競いあっているようである。もくれんのピンクの蕾もほころび、はにかむように開花を待っている。
木立では、たっぷり声を調えた鶯が、美声を聞かせてくれる。夕暮れ時、コロコロとアマガエルの可愛い声まで聞かれるようになった。
青空にも、まだ数は少ないが、遠来の客つばめが春を謳歌、見事な円舞を見せてくれる。
日も暮れてしばらくしてからだった。一瞬耳を疑った。テレビの音を小さくして耳を凝らす。確かに鳴いている。「ホー ホッホッホー」ふくろうの鳴き声である。四度ほど声を聞かせて、また元の静けさに戻った。五年位前までは、毎晩のように聞きなれた鳴き声だったが、またあの「孤独だヨー」とも感じ取れるバスが聞かれるのだろうか。私にとっては、懐かしい響きである。