言葉の壁

sakuraniikari2006-07-27


 交通事故による入院生活も3週間になる。当初の黒く鬱血した患部も、薄皮を剥がすように元の肌色になり、もう退院も間近なように思われていた。しかし連日の痛み止め、血流促進、便秘、胃酸、胃薬、腫れをとる薬等、たくさんの薬の服用のせいか、のどが異常に乾き大量の水を飲むようになった。その反応で拒食、敢えて食を摂っても、消化不良、やむを得ず点滴という羽目になつた。こうなると言葉の障壁もあり、医師のいうことが理解できず、悪い方へばかり考える。先日も呼び出され、いろいろ泣き言を聞いたが、とうとう胃カメラ、血液検査をしてもらうと言っていた。
 昨日結果が分り、医者から「どこも悪いところはない」と言われたらしい。しかし「胃が悪いのは自分に病気があるからだ。頭も痛いし、足も冷たいし、体も冷たいので電気毛布をしている。いまに死ぬのと違いますか」と医者に怒って言ったらしい。思い込みはひどいもので、かなり興奮して「わたしはひどい病気です。死ぬかも分らない。明日先生説明します。日本語のわかる人を連れてきなさい。先生言いました。明日お願いします。息子(留学生)も来ます」と、電話があった。ということで、けさ病院に行った。息子はもう来ていた。驚いたことに昨日の電話が嘘のように、声は元気だし、顔色も良い。やがて医師の説明を受ける。その言葉を二人がかりで、ちゃんぽんで話すうち、笑顔が出、やっと納得した。今まで、医師のいうことの不明白、毎日変わる看護師との言葉の障害のため、ストレスも貯まっていたのだろう。以後僅かだがご飯も食べるし、少しではあるが歩き出した。こんどは間違いなく、退院が近づいてくることだろう。