南京あの場所へ

 夕方まで時間が出来たので地下鉄で三上街へ行く。そこからかの有名な”侵華日軍南京大屠殺遇難同胞記念館”へ行くことにした、場所を聞いても中若年何れの人も知らず、やっとおばさんからバスがそこまで行くと聞く。17番のバスだ。ここ三上街は城内の中心地、西に向かっていく。走り出すとすぐ古い町並みを走る。戦中軍靴の音を響かせて行軍したかもと思わせる街路樹の下を過ぎ、少し閑散としたところで下車、外は暑い。傘をさして歩くが忽ち汗が吹き出る。あちこち工事中で水が吹き出ていて水溜りがあり、車に水を掛けられないように歩く。
前方から来た二人に、どこか聞くとこの先だが今やっていないという。
だが、まぁ行こうと歩き出すと、金を盗まれて無一文だ、のどが渇いた水をくれないかとペットポトルを見ていう。知らぬふりをして行き過ぎようとしたが、付いてくるので大事な水だがあげた。本当に金がなかったのか?多分近くで売っていなかったからではと思った。
 そこだという場所は門が閉ざし工事をやっているようだ。記念館は壊され新しく建設しているという。建造物のコンクリートの塊を見ると、近代的で、これもオリンピックに向けての工事なのか。それにしても、あれほど中国の小学生たちが見学しているところを報道したりしている割には、一般人が存在も知らないというのは、中国の対外宣伝だったのかもしれない。

 見たいと思った記念館は城外、長江の水を城壁の外に巡らしている南京は、城内もあちこち河があり山東省とは全然異なり、二人でかかえるほどの街路樹が車道にかぶさり、日をさえぎり路上の温度も低いような気がする。

 公園も彼方此方にあり,池の水も満杯だ。夫子廟にいく。知人は孔子の墓があるのだという。廟にいくまで日本の門前町といった感じで、両脇はずらりと店が続き夏休み終盤で学生のカップルで大変な人だ。

 夫子廟の門の前で、ここは墓だ、いや、墓は曲阜市にあるから違うと議論していると、横にいた二人連れの麗人が「墓は曲阜にありますからここにはありません、孔子を祭っているお寺ですよ」ときれいな日本語で言われる。驚いた!ここで日本語を聞こうとは、彼女、大学で日本語の専攻だったとか。道理で綺麗な発音だった。