二人的中国人


 騒然たる中もどうにか無事に聖火の長野リレーが終えた日、期せずして中国からQQ聊天が入った。


 夕方6時前、雅傑から。日本語能力検定試験で、僅かな点数不足で落ちた彼女は、帰国後人材派遣会社で日本語の教師として働いていた。約半年後の今年の春節に、自分で同じ派遣会社を立ち上げたい、と計画3月に遂に設立、今までに東京の電気関係の会社から15名派遣の依頼に応えて募集採用し、すでに日本語を教えている。又新たにトヨタ自動車関係のシートの縫製工場より30名の縫製工の派遣依頼で募集中だという。日本人と話す機会が少ないためか少し話し方が落ちたようだ。少しでも日本語を思い出して欲しいと、分りやすい言葉で気をつけて話したせいか2時間も話すとさすがに疲れた。


 8時過ぎ食事をすませまもなく又QQのサインが入った。我的朋友を見ると大連の芳芳からだ。現在は大連で日本語はもとより、歴史、文化、法律などなどを学んでいる学生だ。少し遅れて入学したため、夜も晩くまで自習するのでめったにQQはない。昨日までテストがあったので、やっと電話が出来たと喜んでいた。第一声を聞いて驚いた「おじさん、お久し振りです。お変わりありませんか?」その話し方が以前とは全く異なり、丁寧で、訛りがない標準語である。彼女の教師は京都大学に留学していたとかで、かねてから美しい正しい日本語を話すように云われているらしい。話中単語の意味を聞くと、一字一字の解説でかなり頑張って勉強していることが分る。


 彼女もここで学習し、やがて日本語学校の教師として、中日友好に尽くしたいと希望を語ってくれた。最近QQの調子が悪いのか、他の利用者が邪魔をするのか話しが中断し勝ちであったが、一度も切れることなく、ほんとうに楽しく話すことが出来た。しかし、4時間半も初めて電話で話したが、少し疲れた。