中国

　*淄　博　（つーぼ）　　（四）

　駅から近い新華街のビルの3階に会社があった。入り口には歓迎日本の大きな旗が掲げられている。この会社が日本との取引をしているのが分る。社長に挨拶する。日本語だ。まだ若い美人だ。
　友人の日本人が来たので、今日はあまり忙しくないので休みにしましょう、と気をつかってもらった。おまけ？にホテルが少し離れたところで高いということで会社の寝室を貸してもらうことになった。３階全部が会社で、立派な事務室、社長室、寝室に、研修生の教室、研修生寝室とかなり広い。

　休みだというので研修生の　ＧＵさんが３ヶ月の学習成果を試すように次々と話す。社長によれば、この子は上手な方ですと言う。私も「上手よ」と褒めたので別れの日まで付き纏われるようになった。

　５時、まだ暑いが街に出る。本通りから脇道に入ると金座だ。若い人で一杯。屋台の食べ物屋が多い。あっちを覗きこっちを覗き人盛りの店に足を止めた袁さんが、「海苔巻きすしがあるよ」という。手馴れた手つきですしを巻いているが、具が中国風だ。めしを試食、適度な酢かげんだったのでこちらの好みの具で巻いてもらう。切ったのを食べると中々いける。少し先で言い匂いがする。日本のまつりの匂い、いか焼きだ。これも唐辛子をつけないで焼いてもらう。

　すっかり涼しくなって来た。人民公園に行く。今までで初めての森のような立派な公園で、落ちつきがあり情緒がある。カップルが多い。もちろん私たちもカップルだ。ベンチでさきほど買ったすしといかを食べる。美味しい。ＧＵさんは日本語でしゃべり、私はあやしげな中国語で交流本当に楽しい夕べだった。足も疲れたので、タクシーで帰路につく。