黄島  (六)

 
 大連の芳芳が、今から船に乗りますと電話があったのが昨夜の9時半、、12時ころには黄島に着く筈だ。9時半のバスで黄島に行くことを決めた。GUさんにも、もっと日本語も教えたかったし、袁さんとも交流をもっと深めたかったが残念だ。また会えるのはいつか、考えると別れは悲しい。珊珊も私にどうしても会いたいと追いかけてくることになった。会社も休暇をとって。

 4時間かかって黄島に着いた、バスの外には長い髪の芳芳、小柄な霞が待っていた。バスを降りるとき、やさしい芳芳は荷物を受け取り手をとって降りるのを助けてくれる。日本に居たときと同じだ。歩いてホテルに向う。ホテル近くのバス停で待つこと20分、止まったバスから珊珊が降りてきた。どのようにして追いかけてきたのか随分早い到着だ。4人は手を取り合って喜ぶ。広い中国で、船に乗ったり、遠路おもいとわず集まってくれるなんて、思えば幸せだ。涙で眼が霞む。

 食堂の1室を借り晩い昼食をとる。珊珊は恋人同伴で追いかけてきたらしい。会社の部下から何か指示を仰ぐ電話がかかってきた。これも休暇をとって来たらしい。私のために大迷惑なことだ。