かるた

 正月も今日は3日、日がたつのは早い。

 正月といえば、思い出すのは”かるた”遊びだ。まだ、学校にも行っていない子供でも仲にはいって遊ぶ”いろはかるた”、犬も歩けば棒にあたる、並べられたカードには○に”い”と、犬が棒に当たっている絵が書かれ、犬さえ見つければとることが出来る、教育かるただ。

 小学生だった私たち兄弟妹は、主に百人一首だった。上方生まれの母が読み手で、われわれは勿論とり手だ。毎日のようにやるので対抗意識も出て、目の色を変えて取り合う。それぞれ得意の歌があり、これだけは取られたくないのがあった。記憶のいい弟も得意にしている蝉丸の”これやこの 行くも帰るも 別れつつ 知るも知らぬも 逢坂の関”は双方が取られたくない札だった。しかし上の句が読み終わらないうちにとるのは弟の方が多かった。

 その他読み手がいなくても遊べるのが、絵のある札をふせて、1枚づつ取り、坊主が出ると今まで取った札を全部出し、姫が出ると、逆に出された札を全部取ることが出来る坊主めくりなどがあった。