危機一髪

 晩い昼ごはんをすませ、食器、鍋などを洗ったとき空いた鍋をどう使うか、ふと考えたとき、鍋の大きさから久し振りに南瓜を煮ようとひらめいた。

 南瓜は栗のように美味しい西洋南瓜だ。二つに割るのもとても硬く簡単に切れない。かつお、昆布の出汁の元酒、水を入れ火に掛ける。一、二度返し少量の醤油を入れて外に出て、畑の雑草を抜いているところへ、友人が立ち寄り四方山話をした。そのとき、鍋ヲ火に掛けているのはすっかり忘れていた。その間10分、話し中私が「さてなにをしょうか」とつぶやいたところ「晩の準備があるだろう」と言われ思い出した。

 足がもとらないが走って帰り玄関の戸を開けた。匂わない。焦げ臭はしない。跳んでコンロへ、火を消す、ふたを取る。全然匂わず、底からコトコトと煮る音が聞こえる。まだ僅かに水分が残っていた。最高の出来のようだ。就いていてもこのようには出来ない。味をみた。ほくほくとした、割烹並みの味になっていた。美味しい!!